多くの育毛関連商品の宣伝や広告では、「血行促進によって育毛する」というフレーズが使われます。このため、「血行促進=育毛」、「血行促進=発毛」といったイメージを持っている人も多いかと思います。では、頭皮の血行促進には本当に育毛効果があるのでしょうか?
「血行促進で髪が生える」は大嘘?
結論から言うと、血行促進で発毛するとか育毛できるといった話は、残念ながらデタラメです。詐欺まがいの育毛剤ビジネス業界が広めている間違った情報です。
血行促進で髪が生えたり、逆に血行不良で髪が薄くなったりハゲになったりするのであれば、血行が悪い冷え性の人は、男性・女性問わず皆ハゲになってしまうことになりますが、実際にはそんなことにはなっていません。また、血行不良で髪の毛が抜けるとすれば、ヒゲや眉毛も薄くなるはずです。でも、実際にはヒゲは濃いのに頭はハゲているという人が大勢います。
そもそも、専門家の話によると、頭には5本も大きな動脈が通っているので、人間の頭皮の血行は基本的にいいそうです。育毛ビジネス関連のサイトなどでは、「髪の毛は命とは直接関係ない重要性が低いものであるため、血流が回るのが後回しになり頭皮は血行が悪くなりやすい」などと述べているケースもありますが、それも嘘ということになります。実際、血行不良の冷え性の人は手先・足先が冷えてツライという症状を訴えますが、頭が冷えてツライなどという症状を訴える人はほとんどいませんね。
さらに興味深いことに、頭皮に行く血管を縛って血行を悪くする治療を試した英国の医師が書いた論文によると、血行が悪くなると薄毛(AGA)の原因に関わる男性ホルモンが頭皮に行かなくなるので、逆に薄毛が治ったということです。つまり、血行をよくすると、かえって薄毛が進行する可能性すらあるということです。
※血管を縛って血行を悪くすることで薄毛が治るかと言えば、そうではありません。その論文によると、血管を縛っても血流を回復させる新しい血管が生まれるので半年もすると薄毛に戻ってしまう、ということです。
ミノキシジルは血行を促進させるわけではないのか?
ここまで見てきた通り、「血行促進=育毛」、「血行促進=発毛」という図式には根拠がありません。
ここで、「AGAの治療薬であるミノキシジル(ミノキシジルは本来は血管拡張薬として使用されていた)は血行を促進するから発毛効果を得られるのではないか、血行促進に発毛効果がないのであれば、ミノキシジルにも効果がないことになるのではないか?」という疑問を持つ人がいるかもしれません。
でも、実はミノキシジルは血行促進で発毛を促すわけではありません。その詳細なメカニズムについてはまだ不明な点も多いのですが、ミノキシジルは毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって発毛作用を示すと考えられています。
ということで、血行促進に発毛効果がないとしても、ミノキシジルには発毛効果が確かにあります。
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記事の最終更新日:2019年12月2日
Source: カルボのAGA薄毛対策研究所
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